大会長ご挨拶

第42回日本義肢装具学会学術大会
大会長 菊地 尚久
千葉県千葉リハビリテーションセンター センター長

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より本学会の活動に格別のご支援とご高配を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
さて、このたび2026年10月24日(土)、25日(日)の両日にわたり、「第42回日本義肢装具学会学術大会」を千葉県千葉市・幕張メッセにて開催する運びとなりました。

本学会は、義肢装具および支援機器に関わる多職種が協力し、研究と実践を重ねることで、利用者のQOL向上を目指す学術団体です。義肢装具や支援機器の開発・活用には、製作に携わる技術者と、実際に使用を支援する医療・福祉専門職との緊密な連携が不可欠です。そのため、本学会では多職種協働と他学会との連携を重視し、知識と経験の共有を図ってまいりました。義肢装具は、長年にわたる臨床経験と技術的工夫の積み重ねによって多様化し、進化を続けています。その価値をさらに高め、関係者に広く理解を深めていただくとともに、医療・福祉環境の変化に応じてその有効性を検証することが、私たちの重要な使命と考えております。また、制度の狭間で支援が十分に行き届かない現状を踏まえ、必要とするすべての人に適切な支援機器が届く社会の実現を目指しています。

今回の学術大会のテーマは、「和衷協同 ~地域で活かす、義肢装具・支援機器」といたしました。「和衷協同」とは、心を一つにして力を合わせることを意味します。義肢装具や支援機器は、利用者が地域で自立した生活を送るうえで極めて重要な役割を果たします。その活用には、医療・福祉・行政など、さまざまな職種の連携が欠かせません。地域で支えるためには、病院内にとどまらず、在宅、職場、学校など、生活のあらゆる場面に応じた支援の在り方を考えることが求められます。本大会では、地域において多職種が垣根を越えて協力し、制度や立場の枠を超え、必要とする人に必要な支援が届く社会の実現に向けて、活発な議論と交流の場としたいと考えております。参加者の皆様とともに、新たな学びや気づきを共有し、次なる実践へとつなげる大会となるよう準備を進めております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。